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以前この著者が原作の「凍りついた瞳」という漫画を読んで
衝撃を受けた記憶があります。
文字通り読んだ私自身も凍りついたという表現がぴったりで、本当に
ぞっとしたのと同時に、心が痛みやりきれない気持ちになったことを
鮮明に覚えています。
この本はたまたま行動障害系の本を探しに図書館に行った時に
パラパラと見て借りた本ですが、大変面白かったです。
後から「あのマンガの作者と同一人物が書いたものとわかり納得しました。
「凍りついた瞳」は現状を淡々と赤裸々に伝え、実態を知らしめることが
一番のテーマだったと思いますが、今回の本はさらに進み、保護した子どもを
どのようにケアしていくのか、というテーマでした。
舞台となる施設は、こういった活動が盛んで実績がある地方にあります。
私の思い込みかもしれませんが、関東はこういった動きがまだまだ少なく
地域によってかなり差があるのではないかと思います。
危機的な状況に直面しての思いは一緒なのだろうと思いますが
取組みとバックアップ体制には大きな開きがあるのではないかと感じます。
学会や講習会、講演会など目立ったものは関西で開催されるものが多く、
知っても参加できずにいるので、とても残念です。
この本は、重い虐待を受けた子どもに対して特定の個人と
愛着関係が結べるようにマンツーマンに近い環境で子どもを
育て直す試みや学校での対応など多方面から、病院とも手を組んで
育てる側の当事者目線で書かれています。
日々の小さなことの積み重ねが大事なのだとわかりますが、
一般化してどこの施設でも教育現場でも使えるかと言うと
現状では難しいと言わざるを得ません。
引き込まれて一晩で読んでしまいました。
考えさせられる一冊でした。
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