2008年12月27日土曜日

上手くいったことと失敗したこと

仕事を初めてまだ数日、右往左往の日々ですが、
上手くいったことと失敗したことの両方がありました。

上手くいったこと。
その日、クラスの一人ジェシカ(仮名)が3時間目になっても
学校に来ていませんでした。
机の上が空いていた事もあり、隣の席のダン(仮名)が
ジェシカの机の上に自分のノートとペンケースを置いていたら
ちょうどジェシカが教室に入ってきました。
しばらく見ていても、ダンは自分のノートとペンケースを
片付ける様子もないので、片付けるよう頼んでみました。
ダンは私の言ったことは無視していました。
私がノートとペンケースを持つと「触るな」などと怒りながら
それらを自分の机に移動させ始めました。
その時に「ノートとペンケースを移動させてくれてありがとう」と
声をかけたら、とたんに悪態は消え無言になりました。

失敗したこと。
全校集会で、うちのクラスの生徒たちはそれぞれ自分の
親学級の方に参加していました。
その後の予定が全然わからなかったので、ちょうどそこにいた
ダンに「これから何があるの?」と気軽に聞いてしまったら
「うっせーよ」とか何とか悪態をつかれてそっぽを向かれました。
あぁ、そうかクラスの外では支援級であることはご法度なのか。
気が付かなかった。

にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ

2008年12月23日火曜日

伝えたい言葉

子ども達に伝えたい言葉。
公共広告機構で流れているCM。

くじけそうなのは、あなたが進んでいる証。

しかられたのは、あなたが愛されている証。

つらいのは、あなたがあきらめていない証。

「生きている」という証を、感じてほしい。


子どもは大人の都合や気分で叱られていることも結構多いと
思っているので私の担当している生徒には2行目はいらない。
うざい、疲れた、しんどいと感じ表現しているってことは
まだあきらめていない証拠でもあるのだ。
子どもたちがあきらめていないのだから大人が
子どもの成長をあきらめるわけにはいかない。

希望はあるのだろうかと途方に暮れてしまいそうになるけれど
あの子達は決してあきらめてないんだ、と確信した。

私も頑張ろう。
にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ

2008年12月22日月曜日

苦手な全校集会

全校集会がありました。
ナンシー(仮名)は登校二日目にして最も苦手な全校集会。
前日から「私は出ない」と言い続けていました。
もう一人なかなか参加できない子がいてその子と二人で
体育館まで行くのに一苦労、入口で一苦労して何とか
自分の親学級の一番後ろに座りました。
(おぉっスゴイ!)
しかもそれから最後までじっと座って静かに参加できました。
(私的には花丸!)

でも先生方は参加できたことにはあまり反応せず。
担任の先生も無言・・・
できて当たり前のことは褒めてもらえない様子で、
私だけが「すごく頑張ったね」的な感じでした。

その後頑張りの糸が切れて、教室から出て行ってしまい
私だけでは治まらず、ヘルプを頼み落ち着きました。
全然力になれず無力感でしばらく落ち込みましたが
少しづつ信頼関係を築く段階だ、と自らを慰めています。

私の分析では、全校集会で力を使い果たしてしまったので
我慢ができなかったのが一点、見通しのつかない予定変更を
急に言われたことが一点、周囲の対応が二転三転して
自分の気持ちが振り回されたことが一点。

スモールステップという言葉にあるように、今日は
全校集会に参加できたことをもっと大々的に評価してくれる
先生がいるとだいぶ本人達にも励みになるのになぁ・・・

2008年12月18日木曜日

初出勤

12月1日からの予定が延び延びになり、2週間以上遅れて
ようやく支援員としての活動が始まり、緊張の時間を過ごしました。

色々とありましたが、心配していた当の本人は恥ずかしがりながらも
割と落ち着いて登校してきました。
私は彼女が荒れていた状態を知らないので何とも言いようがないの
ですが、とてもいい子でした。
ちょうどその当日が他のみんなが不在だったせいもあり、全ての
活動がマンツーマンかそれ以上の人数の大人が付くことなっていた点も
良かったのかもしれません。

その中で思ったことが二つ。
・親学級との関係について
・授業内容について

その子も夏頃までは参加もしていたようですが、現在親学級にほとんど
行けないらしく5教科以外の科目時の過ごし方に問題があったようです。
最初に親学級の担任の先生にご挨拶をさせていただきましたが、
何とか彼女も一緒に参加させたいという意思は感じられず
(まぁ3年生なので受験生で大変な時期なんでしょうが)
暖かく彼女を受け入れてくれる雰囲気作りは期待薄な印象でした。

そういう状況の中で残りあと2か月程度親学級に無理に参加させる
意義はあるのだろうか?ということを感じました。
とりあえず目の前の「毎日学校に来て勉強に取り組む」ことを目標に
してもいいんじゃないかと思いました。
ただ、もう卒業なのでその時に親学級と疎遠なままというのも
寂しいかもしれない・・・

あと一つは、勉強の内容。
漢字はもうやらないと仕方ないのかもしれないけれど、
数学なんかは計算問題なんかは「九九の表」などを使ってやってみたら
どうだろうと思うんですが、どうなんでしょうか。
単純計算をコツコツやることももちろん大切なんだと思いますが、
たぶん小学校から延々と基本的な計算問題をやり続けているであろう
ことを考えると、中学生の段階で九九がきちんと全部できない場合、
九九の表を見ながら解いたり、あるいは計算自体は計算機使用OKなど
にしたらダメなのかな、と。

図形の問題とかクイズ的な問題とか、計算でない数学とか
ちょっと面白がって出来るものじゃダメなのかな、と。
一般の常識に合わせた学習でなくてもいいような感じがしました。
できないからといって小学校3年生の問題、2年生の問題とレベルを
下げるのではなく中学生の問題をヒント付きで解くとか、
中学生なりのプライドを持たせつつ学習させることはできないんでしょうか。
(先生がレベルの低い授業をしているわけではありませんが
当人たちも色んな面で劣等感をものすごく持っているように思えました)

全然生徒たちにも慣れていないうちに今年の学校も終わってしまいます。
にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ

2008年12月17日水曜日

特別支援教育の勉強

特別支援教育に関わっている方々はどうやって勉強しているんだろう。
現場で子供たちに向かいながら実践から学ぶことが一番なんだろう。
私のように興味はあっても、支援の具体的方法を知らない人にとって
身につけられる知識はないものかと探してみて、行き当たったのが↓。


「日本ブログ村」の中の「教育ブログ」の「特別支援教育」

特別支援教育関連のブログの集まりで大変参考になります。
教員、コーディネーター、支援員、保護者など様々な立場の人からの
発言が読めて興味深く、早速私も参加しています。

TOSSランド
教員向けのサイトですが、場面に応じて色々なアイデアが蓄積されていて
面白いです。特に子どもに何か言われた時の切り返し方などはユーモアが
あって、教育現場でなくても家の中でも使ってみようと思いました。

発達障害教育情報センター
今一番参考にしているサイト。
「読むのが苦手な子」「書くのが苦手な子」など具体的な困難に合わせた対応策が
動画で説明されていて助かります。
もっともっと事例を増やしていただきたいです。

鳥取大学の井上雅彦先生の井上研究室
先日もWeb講座を受講しました。
次回も募集があれば参加したいと思っています。

NPO法人 えじそんくらぶ
当事者の立場によるサイトなので、即使える技術が学べそうです。
特に講座や研修会などの動きが活発なので是非機会があれば参加したいです。
特にソーシャルスキルトレーニングあたりは興味深々です。

強度行動障害ホームページの中の研究一覧
私の担当する生徒は「行動障害」という名前をもらっているようなので
参考にさせていただいてます。

本も色々出ているようですが、そもそも障害自体個人差が激しく
その場で効果があっても一般化できるかどうかについては、
全体を網羅していないのではないかという意味で
信憑性が低い感じがしています。

仮に一般論を習得したところで、目の前の子どもに向かう時に
役立つのかもまだ掴めていないので、実践が始まってから
必要に応じて探した方がいいのかも。

また、私が見た印象では関西の方が特別支援教育に対する取組みは
進んでいるようで関西方面での集まりは結構見かけるのですが、
関東でも沢山開催して欲しいものです。
にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ

2008年12月9日火曜日

資料入手

特別支援教育について勉強しようとネットで色々な人たちの
書いていることを読んでいる。
その中で、見た資料を取り寄せた。

①小児科臨床61巻12号 特集「最近注目されている発達障害」
日本小児医事出版社 4620円(383P) 2008.12

②「ビジュアル版 LD、ADHD、高機能自閉症等の発達障害向けの
教材・教具の実証研究報告書」
全国LD親の会 1000円(106P)2008.6

③「総合版 LD等発達障害のある高校生の実態調査報告書」
全国LD親の会 1200円(143P)2008.6

①は鳥取大学の井上雅彦先生のWeb講座を受講していた関係で
ブログも拝見していたら、ちょうど紹介されていたので購入。
高かった(痛い)けれど、なかなかない専門書なので頑張りました。

②③もネットサーフィン中に見つけたもの。
私自身の子どもも発達障害の傾向があるので、高校生に
なった時にどういう問題が出てくるのか当事者の声を聞きたかったのと
具体的な教材など支援員として役立つものを参考にしたかったから。

こういう情報がどんどんまとまってデータベース化したら
いいのにと思う。
各地で特別支援教育に熱心に取り組んでいる人たちも多い
だろうけれど、それぞれがばらばらに頑張っていて、
なかなか集約されない。
この全国LD親の会にしても、全国の発達障害のほんの一部に過ぎない
だろうし、このアンケートに答えている人はさらにその中の一握り
だろうと思う。

①は一部読んだだけなので一概には言えないが、
全体的に親子への支援が中心。
内容はとても興味深くじっくり読みたい1冊。

内容とは別な部分で私が引っ掛かった点がひとつ。
親が子どもを病院に連れてきていることが前提なのだ。
発達障害に関しては家庭の中で親が変わることが大切だし、
親への支援が最も近道であることに間違いはない。
よく考えてみたら、この本は小児臨床という医者向けの専門書
なのだから、当たり前と言えば当たり前だ。

言い換えると、どんなに問題がある子でも病院に連れてこられない
限り(お金を支払わない限り)手厚い支援は受けられない、ということ。
早期発見が大切というけれど、現状では早期発見できるか
できないかは経済力と知識に左右されているように感じる。

そして、病院には現れなくても、学校にはそういう子もいるのだ。

今私が欲しいものは、学校で誰もができる支援や技術。
苦手な分野への取り組ませ方などこういう時にはどうしたらいいか、
という具体的な方策など。
もちろん子どもは千差万別で決まり切ったマニュアルで
解決するわけもないが、アスペルガーやADHAなどひと括りで
診断名がつくのなら、それに対応する対策も大雑把に概要くらいは
あってもよいのではないかと思う。

親が変わる、親ががんばる、という「やる気」ではなく
目の前の具体的な対応策を学びたい。
にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ

2008年12月8日月曜日

できることとできないこと

本来ならもう勤務が始まっている時期だけれど、
延期延期でスタートは来週からになりそう。

考えれば考えるほど、想像は悪い方向に行ってしまう。
可哀そうと思っていては、相手のためにならないし、
その状況で生きている相手に失礼だ。

そもそも私自身のことでも、子どもの病気に対して
一番苦痛だったのは「可哀そう」と思われることだった。
私は可哀そうじゃないし、子どもも可哀そうな子どもじゃない。
憐みの視線と言葉には耐えられなかった。

この痛みを抱えながらも、精一杯の心と技術で関わることで
少しでも子どもたちの力になれたらいいなと思う。

それにはまず、私にできることとできないことの区別を
きっちりつけること。

私にはあの子たちの状況を変えることはできない。

あの子たちの不遇の環境を知った上で、
・あなた達の周りにはあなた達を気にかけ見守っている大人がいる、
 という二次環境をを作ること。
・困っていることへの具体的な手助けをしたり、後押しをしたり、
 褒めたりすることで、生きる力を伸ばすこと。
この2点をまず目標にしよう。
そのための知識と技術を身につけたいと思う。
にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ

2008年12月4日木曜日

対象生徒の概要を聞いた

私が担当となる生徒の概要を聞いた。
その話を聞く限りでは、素人の私が一人ついたところで
どうなるものでもないのではないかという印象。
しばらくそのクラスを見学させてもらったけれど、
私の担当の生徒は不在なのに、他の生徒が暴れ出し
手がつけられなくなった。
少なくとももう一人専属の支援員が必要なんじゃないかと、、、
っていうか何人人がいてもどうしようもない、どこから
手をつけたらいいものやら途方に暮れてしまうという感じ。

人がつけば、学校の一場面で少しは落ち着くかもしれない
けれど、根本的なところがあまりにも不安定で心もとない。
そりゃ投げやりにもなるよな、と思ってしまう。
どうしたらいいんだろう?大丈夫だろうか?

本当に私は無力だ。
大変な状況にあるのは一目瞭然。
高校では「教育困難校」というくくりがあるけれど、
中学校では問題にもされていない。
生活保護や片親家庭が、学校全体の中でも一般の地域以上の割り合いを
占めており、学力も断トツに低い。
この子たちは中学校を出たら行くところがあるんだろうか。
運よく高校に行けたとしてもその後は?
特別支援が必要な子が18歳になったからと言って突然自立して
お給料をもらって一人暮らし、なんてできるはずもない。

こんな世界が身近にあったということ自体が衝撃だった。
あまりに私の周りやテレビの中とはかけ離れている。
私ができることなんてあるんだろうか。。。

私ができることといったら、周りで心を痛めることくらい。
本当に胸が痛んだ。
あの子たちには幸せになってほしい。
にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ